拓本の採り方



<手順>

@碑面についた砂や埃を布や刷毛等で払い落し、きれいにします。

A碑面に湿らした拓本用の紙を貼る。

─ 紙は、15センチ×20センチ程度に折り畳んだ状態で水に漬ける。取り出した紙を画仙紙の切れ端など水を吸い込みやすい紙で挟み、平らなところに置き、上から重りを乗せて数分程度待つ。水気が適度に取れたら、破けないように注意しながら紙を広げ、碑面に貼り付ける。自分から見て折り目の山が奥に、紙の端が手前にくるように両手で紙を持ち上げ、ゆっくり広げる。その際、思うように紙が開かない場合は、紙の隙間に口で息を何度も吹きかけて広げるのがコツ。

─ 日本の拓本の採り方を紹介したサイトをみると、紙を碑面に貼り付ける際に、水で薄めた糊等を使用する、と書かれていることがありますが、碑面を汚す惧れがあるため、原則として糊等は使用しません。

─ 碑が大きく紙1枚では碑面を全て覆えない場合は、新たな紙で継ぎ接ぎする。この場合、予め紙を繋ぎあわせるのではなく、1枚目の紙を碑面に密着させた後に、2枚目の紙を当てがい(1センチ弱の糊代を作る)、継ぎ目をフエルトの上から木槌で叩く(碑面を傷つけないよう注意)。糊等の接着剤は使用しない。


B刷毛を垂直に持って擦り付け、紙を碑面に密着させる。刷毛は内側から外側に動かす(碑面と紙の間にある空気を層をなくす)。

─ 刷毛は紙に対して垂直に動かすことが大原則。初めはゆっくりと、紙が馴染んできたらスピードを上げていく。紙が破けることを恐れず、力を入れて擦ること。彫りが浅い場合は、紙を密着させるために、最後の仕上げとして、刷毛を45度に傾けて擦る。


C刷毛で紙が破れた場合等には、当該部分よりもやや大きめに切った他の紙を当てがい、木槌で叩くことにより欠損部を補う。その後、再び刷毛で擦る(木槌で叩き密着した紙は、上から刷毛で擦ってもは剥がれることはない)。

─ 木槌を使用する際は、碑面を傷付けないようにフェルトを当ててから叩く。



D団扇を使って紙を乾かす。

─ 王先生曰く、「団扇を使って紙を乾かすことが、拓本を採る作業の中で最も重要かつ難しいこと」とのこと。拓本というと、タンポで紙に墨を乗せていくことがメインの作業と思われがちであるが、王先生に言わせれば、「それは二の次」ということらしい。「適切な乾き具合を目で見て、手で触って分かるようになって初めて一人前」とおっしゃっていました。



Eタンポに墨を付け、何度も板を叩くことにより、タンポに含まれる墨の量やバランスを調整する。タンポで板を叩くのではなく、板でタンポを叩く。全体に墨が行き渡るよう、右手で持ったタンポを、叩きながらゆっくり回していくのがコツ。



F碑面に貼り付けた紙をタンポで軽く叩きながら少しずつ墨を載せていく。

─ 全体的に万遍なく墨を載せていくのがコツ。墨が少ない場所が残っているからと言って同じ場所を何度も叩くと、墨が湿らせた紙の裏側に浸透し、碑面を汚してしまう危険性があるため注意を払う必要がある。

─ 一通り墨が乗ったところで、団扇で墨を乾かす。

─ ある程度、墨が乾いたら、再度、タンポで墨が少ない部分に墨を載せていく。これを繰り返し行うことにより、拓面の墨が厚くなり、ツヤも増す。

H紙がきれいに乾いたら出来上がり。

─ 今回くらいの大きさの紙を折り畳む場合は、横→横と二回じ方向に折り畳み、細長くなった紙を今度は縦に折る。








拓本を採る道具

拓本を取るための道具を紹介します(下の写真を参照)。

─ 手前左にあるのが@墨を含ませるタンポとA墨を付けるための木製の板。手前右にあるのは、B紙を碑面に密着させるために湿らせる霧吹き、C湿らせた紙と碑の側面を密着させたり破れた紙の穴を他の紙で塞ぐ際に使う木槌、D木槌で叩く際に当てるフェルト、E碑面と紙を密着させるための刷毛、奥手が、F拓本用の紙(適度に湿らせたものを予め準備)。

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